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在宅日誌 2011/10/22

在宅でのコンプライアンス管理

2011.3より在宅訪問開始になったN様。他院より当薬局門前診療所に転院され、お付き合いが始まりました。

N様は要介護2、主介護者のご主人と二人暮らし。お二人とも80代ですが元気で明るく、気さくな方です。

N様ははきはき話され、お薬のことも分かっておられる様子。ご主人はしかっりした頼れる方だと思いました。

入退院を繰り返しておられたので訪問はとびとびでしたが、14日毎に訪問に伺っていました。「ちゃんと忘れず飲んでいるよ。」そうおっしゃるのですが、不足の訴えが多く、どうも残薬が合いません。

どうしてかと尋ねると「昔のしまいこんでいた薬が出てきた。」「机の下に落ちていた。」と笑って話されます。

何回か訪問し少し慣れてきた頃、ずっと使っておられるはずの気管支拡張と心血管拡張の貼布薬の使い方を訪問の度に聞かれるようになりました。N様「お風呂の時ははがしたらいいのよね?1日1回だっけ?」。ご主人も「どうだったけ?」と。

再度使用方法説明すると「そうそう、分かった。」と納得されますが、2週間後に行くとまた余っています。

今度はご主人に毎回貼り替えるのを見て確認してあげるようお願いしました。

しかし2週間後に行ってみるとまた余っています。内服薬も多かったり少なかったり。カレンダーを勧めても「自分で管理できるから大丈夫。」と。

ここまできて、自分の初対面の印象が間違っていたのだと気付きました。

実際はN様の理解度は不良、ご主人はN様の介護で手いっぱいでお薬のことを考える余裕はありませんでした。

N様宅には訪問看護の方が週2回入っておられます。訪問看護の方にお話を伺ったところ、お二人はプライドが高くあまり弱みは見せたがらない性格。残薬が合わない時「どうして?」と毎回聞かれるのが嫌だったみたい。時には夫婦喧嘩のもとになっていると。

外来からの長いお付き合いではその方がどういう性格なのか分かっていることが多いですが、今回のように在宅からではなかなか判断が難しいと思いました。気さくに接していただき、なんでも話してもらえていると思っていました。訪問薬剤師が変わることもありますし、2週間に1回の訪問ではなかなか気心知れた仲になるには時間がかかると実感した事例です。

現在は訪問看護の方からカレンダー管理を勧めていただき、コンプライアンスは良好。ご主人も喜んでおられます。

その方に合ったアプローチの仕方や、より細やかなケアのためには訪問看護の方等との情報交換が必要であり、それが結果的にコンプライアンスの向上に繋がるのだと