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その他 2013/11/08

一般用医薬品のネット販売規制について思うこと

ようやく一般用医薬品のネット販売に関する規制が決まりました。
私としては国民の健康を守る立場から、「第一類医薬品」「指定第二類医薬品」についてはネット販売を禁止し、対面販売を義務付けることが重要であることを主張してきた立場からは、今回の対応については極めて不十分であると思っております。
とりわけ新規に販売される一般用医薬品(OTC)の安全管理には、現在は4年間の観察期間が設けられていますが、今回の規制では4年を3年に短くしているのです。
しかし、今回は、ある意味で、楽天の三木谷氏をはじめとする規制緩和改革勢力に対して厚労省側も頑張ったと評価したいと思います
11月7日のニュースでは、三木谷氏は猛反発していることが報道されていました。テレビでも「利便性」vs「安全性」の争点で表現していましたが、本当にそういう争点なのでしょうか?
医薬品はヒトにとっては異物です。医薬品は安全確保があってこそ、治療で使用できるのです。
三木谷氏はこれまで医薬品を使用して、副作用を経験されたことがないのでしょうか? ちょっとした風邪薬を服用されただけで、スティーブンジョンソン症候群のような重篤な副作用を経験し、失明された方もおられるのですから。
これも確率の世界で、発生頻度が少ないことは無視されて切り捨てられるのでしょうか。
新自由主義路線の中で、なんでもかんでも自由にして、市場や消費者の判断に任せると大変なことになると思います。それを防止するために政府の機関が存在しているのすから。
現在、TPPの議論がすすめられています。OTCについてようやく決着を見ても、これが非関税障壁であると米国から認識されると、もっと大きな問題になるかもしれません。

                                            廣田憲威