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薬剤師一口メモ 2021/04/13

お薬手帳を活用しましょう

 最近は「お薬手帳」を持っている方も増えました。「お薬手帳」は薬を中心とした患者さんの健康手帳です。紙製の手帳だけでなく、スマートフォンやタブレット端末を利用した「お薬手帳」も見かけるようになりました。患者さんの中には、薬局でお渡しした手帳ではなく、ご自身でノートを作り、そこに服用薬の手帳シールを貼り、血圧やその日の薬の服用記録を付け、日記のようにして活用されている方もおられます。

 「お薬手帳」には、皆さんの過去から現在のお薬の使用歴が記載されています。薬局では、薬の写真付きの説明書もお渡ししますが、これは現在飲んでいる薬の情報のみです。「お薬手帳」は今までにどのような薬で病気やケガを治してきたかが分かり、現在や未来の治療の参考にすることができます。また、アレルギー歴や副作用歴も記載することができます。卵や牛乳などのアレルギーは、薬にも同じ成分が含まれることがあり、「お薬手帳」に記載していることで、未然に防ぐことができます。新しい手帳に更新する時は、ぜひそれらの情報も書き写しておきましょう。

 時々、「お薬手帳」を医療機関ごとに作られている方を見かけます。複数の手帳では、薬の飲み合わせ、名前の違う同じ薬の服用を発見することが難しくなります。これらを防ぐためにも、どこの病院や薬局を利用していても、1冊の「お薬手帳」にまとめましょう。

 最後に、「お薬手帳」が命を救う役割を果たすお話をします。それは2011年東日本大震災の時です。津波や停電で、電子カルテや電子薬歴が見れない医療機関や薬局が多く、避難所などで薬がない方が多くおられました。ご自身の薬の名前や量も全部言える人も少ないですよね。しかしその情報が、いち早くわかって対応できたのが「お薬手帳」を持っておられる方でした。手帳の情報から、服用している薬がすぐにわかり、薬が途切れることなく過ごすことができました。また、災害以外でも突然の事故にあったとき、「お薬手帳」を持参していれば、皆さんの代弁者として、救急隊に情報を伝えることができます。このように、「お薬手帳」は、皆さんの命を守る手帳です。せひ、鞄にいれて、肌身離さず持ち歩きましょう。

 

 

 

 

 

あおば薬局
(「みんなの健康」第370号 掲載)