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研修・学会 2017/09/30

あおぞら薬局で取り組んだ疫学調査の論文が学術雑誌(糖尿病)に掲載されました

あおぞら薬局では、医療機関の無料低額診療事業を受けておられる患者さんに対して、一部負担金の分割払いなどの相談に乗り対応しています。なかでも糖尿病の患者さんは薬剤費が相対的に高い実態となっています。
日々、薬剤師が患者さんにお薬をお渡しする際に糖尿病患者さんからはHbA1cをお聞きし、糖尿病のコントロールを把握するようにしていますが、無料低額診療事業を受けられている患者さんは、それ以外の患者さんに比べてHbA1cの値が悪いという印象から、今回の疫学調査に取り組みました。
その結果、無料低額診療事業を受けられている患者さんの糖尿病のコントロールが有意に悪いという結果がえられ、しかも、インスリン等の注射製剤を使用している率も有意に高いという結果でした。
すなわち無料低額診療事業を受けている患者さんは、相対的に経済的に困窮されている方であり、お仕事をされていても、ダブルワークや不規則な労働時間で、食生活も安定していないことが、糖尿病のコントロールにも影響していることが明らかとなりました。
生活保護を受給するためには一定の条件をクリアしなければなりませんが、低年金の高齢者など、社会保障のはざまにおられる患者さんもたくさんおられ、そうした患者さんにも、いかに経済的にも安心して薬物療法を継続していただけるのかが今後の大きな課題となっています。
医療制度の改善と同時に、インスリン製剤やGLP1製剤など高薬価問題の是正も課題かと思います。
大阪ファルマプランでは、引き続き、保険薬局が無料低額診療事業の事業所になれるように、運動をすすめていきたいと思っています。
                                             廣田憲威

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