2023年9月20日～22日オーストリアのウイーン大学で開催された第29回国際HPHカンファレンスに参加してきました。テーマ は「WELL-BEING志向のヘルスケアへのヘルスプロモーションの貢献」で、開会式では保険制度の確立と公衆衛生の発展に貢献されたユルゲン・ペリカン（21.1.1940-11.2.2023）の追悼の後、パンデミックを経験し乗り越えてきた経過で、改めて病院の危機にはヘルスプロモーション活動が大切なことを再確認したことなどの3演題の講演がありました。

中でも私が印象に残った講演は「医療現場における健康的な労働力の確保と維持」という、世界の保険医療人材の大幅な減少と低所得・農村部での深刻な地域格差に関する報告でした。COVD-19の流行で医療者自身も命の危険にさらされ、メンタルヘルスの悪化や新たなサービスの要求などで疲弊し離職が進むことも深刻という内容でした。私も保険薬局で勤務していますが、薬局でもコロナ陽性患者が身近にいる環境や感染者との接触に関して現在も緊張が続いています。そのための健康的な職場作りとしてモチベーションの維持や共感しあいながら寄り添っていける関係性作りのためのリーダーシップが重要であると学びました。

その他、気候変動の緩和と適応へのヘルスケアステーションの貢献と題し、これまでの経済発展・社会開発は限りある天然資源の搾取という側面があること、このままでは持続不可能になる危機について学び、深く考えさせられました。また、公衆衛生の原動力としてのプライマリヘルスケアを強化することで、医療の質を向上させ医療費の削減や良い健康結果をもたらす内容として家庭医による予防プログラムがもたらす患者教育の実践やその経済効果などの紹介がされました。

国際HPHカンファレンスの参加を通じて、私も保険薬局薬剤師として診療所と協働し患者さまへの健康情報の提供などに取り組むことでヘルスケアに貢献したいと考えています。

カンファレンスの前日の自由時間ではウイーン中心街のシュテファン寺院やオペラ座を観光し建造物の美しさに感動しました。カンファレンスディナーではオーストリアの伝統料理ウィンナーシュニッツェルとワインを堪能しました。ガイドブックで見た想像よりも遥かに大きな成人男性の手の平程のウインナーシュニッツェル！食べられるか不安でしたがレモンを絞って美味しく完食いたしました。

あおば薬局