薬剤師一口メモ
2019/02/08
甘草(かんぞう)って知っていますか?
甘草(かんぞう)は70%の漢方薬に含まれています。主成分のグリチルリチンは、抗炎症・鎮痛・去痰・鎮咳・抗アレルギー作用があるので市販の風邪薬や胃腸薬、肝臓疾患の治療にも利用されています。砂糖の50倍も甘味があるのに低カロリーのため、お菓子や調味料として、ダイエット食品にも利用されます。そのため、知らぬ間に過剰摂取が起こることがあります。
甘草を過剰摂取すると、血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず、高血圧・むくみ・カリウム喪失などの症状が起こります。これを、偽(ぎ)アルドステロン症といいます。一般的には甘草、又はその主成分のグリチルリチンを含む医薬品を過剰に摂取して起こる副作用で、初期症状は手足の力が抜ける、手足のこわばり、高血圧、むくみ、頭痛などです。
偽アルドステロン症は滅多に起こることではありませんが、甘草を含む医薬品を服用中に「手足のだるさ」「しびれ」「つっぱり感」「こわばり」が見られたら、「偽アルドステロン症」の疑いがあります。甘草を摂取したから必ず起こるものでもありません。しかし、日常で摂取する機会が多いものだけに副作用を知っておくことが大切です。服用中のお薬とサプリメント・食品との併用など、気になることがあれば薬局でご相談ください。
あおぞら薬局
(健康の友 2019年2月号掲載)