薬剤師一口メモ
2018/11/08
「次亜塩素酸」ってなぁーに?
次亜塩素酸と聞くと何やら怪しい薬品の様な気がしますが、花王の「キッチンハイター」、その他ブランドの「キッチンブリーチ」と聞くと「漂白剤」だと分かりますね。他にも、赤ちゃんが使用する哺乳瓶の消毒剤として代表的なもので杏林製薬の「ミルトン」があります。このように次亜塩素酸は我々の生活に身近な化学物質です。
漂白剤としての次亜塩素酸と、消毒剤としての次亜塩素酸。違いは濃さです。市販の次亜塩素酸の漂白剤を100倍希釈で除菌効果、30倍希釈で漂白効果になります。
最近ではノロウイルスに効果的と言われており、2ℓのペットボトルにキャップ2杯の漂白剤を入れ、水を満タンに入れたものを汚染物にまんべんなく振りかける。
学校ではこのような対処法でノロウイルス感染拡大を防いでいます。さらに最近では次亜塩素酸を改良した「二酸化塩素(商品名クレベリン)」が誕生し、話題となっています。そして、次亜塩素酸は「安い」。
良いものだらけの様に見える次亜塩素酸ですが、悪い面もあります。
金属性の物は腐食させてしまうので消毒できない。臭いが独特。塩素性の薬品を混ぜると有毒ガスを発生させる。人体の粘膜、特に目に入ると失明の危険が生じる。消毒・漂白効果はあるが、洗浄効果はない。この点を間違って使わない限り、災害時にも幅広い消毒薬として活躍できる次亜塩素酸。災害グッズに足しておくのも良いかもしれませんね。
参考:高杉製薬株式会社「次亜塩素酸ナトリウムについて」/大幸製薬「クレベリンホームページ」
すずらん薬局
(健康の友 2018年11月号 掲載分より転載)