薬剤師一口メモ
2016/12/13
秋深き 薬剤師は何を思うのか?
秋ですね。私には、「秋ナスは嫁に食わすな」「柿が赤くなれば医者が青くなる」「香マツタケ味シメジ」これらの言葉が浮かびます。今回はこれらに関係するカリウムという物質について書かせてもらいます。
まずは、「秋ナス」です。 「嫁に食わすな」からは、秋ナスはさぞかし美味しいのでは? と、嫁姑問題の勃発を想像しますが、実は秋ナスには、カリウムが多く含まれます。カリウムには体を冷やす作用があります。おそらく「嫁に食わすな」の「嫁」とは、妊婦の事を指すのではないのでしょうか? 妊婦が体を冷やすのは良くないので、嫁姑問題ではなく、嫁を気遣う優しさから出てきた言葉なのでしょうね。
次に「柿」です。柿にはビタミン、ポリフェノールなど、疲れを取ったり、免疫力を高めたりする物質が数多く含まれていますが、柿にもなすと同量のカリウムが含まれます。
次にマツタケとシメジです。この2つに含まれる栄養素の割合は、ほとんど同じでキノコ類は、ナス・柿よりも多くのカリウムを含んでいます。マツタケとシメジで大きく違うのは値段です。腎臓の機能が弱くなっている患者さんにとって大量のカリウムを摂取することは、命取りになりかねません。
秋が深まる中、薬剤師は患者さんの薬を作るだけでなく、検査値を見ながら、その患者さんの食生活も考えて、お薬の説明をさせていただいております。食べすぎには、十分注意してください。
※参考:文部科学省 五訂増補日本食品標準成分表より