薬剤師一口メモ
2016/06/29
薬物乱用の頭痛
痛薬の飲みすぎによる頭痛?
もともと片頭痛や緊張型頭痛などの頭痛持ちの人が、頭痛薬の飲み過ぎにより、かえって毎日頭痛が起こるようになった状態を薬物乱用頭痛といいます。ひどい頭痛を経験すると、頭痛発作への不安から鎮痛薬を予防的に服用するようになり、飲む回数や量が増えます。すると次第に脳が痛みに敏感になり、頭痛の回数が増えて薬も効きにくくなってしまうのです。月に15日以上頭痛があるような人は薬物乱用頭痛の可能性があります。
治療としては、まず思い切って原因薬剤を中止します。中止後、その反動で激しい頭痛(離脱頭痛)や吐き気などが起こる事があるので、予防薬や原因薬剤以外の治療薬で対処します。最初の1~2週間はつらいですが、毎日のように起こっていた頭痛が減り、もともとの頭痛の症状に戻るので、そこからもともとの頭痛に応じた治療を行います。薬物乱用頭痛にならない為にも、頭痛薬の使用回数は守り、市販の鎮痛薬を予防的に飲むのは避けましょう。