薬剤師一口メモ
2016/03/03
高齢者とくすり
薬による副作用(有害作用)は、アレルギー反応だけでなく、薬の効きすぎや多剤併用によるものも、高齢者では多くみられます。
高齢者では、複数の疾患にかかっていることが多く、複数の医療機関や複数の科にかかっており、その結果多くの薬を服用していることがあります。有害作用の頻度は薬剤数が増えるとリスクが高くなるとの報告があります。
また、有害作用の増加する因子としていくつかありますが、加齢とともに、薬を分解する能力の低下や薬を体外に出す能力の低下など、体の機能の低下も要因となります。腎機能の排泄能力も80歳代では、30歳代の半分程度になるといわれています。
有害作用の一例として、降圧剤によるふらつき、利尿剤による脱水・電解質異常などは、薬の効き過ぎによりおこります。また薬による他の部分への影響として抗うつ剤による便秘・口渇・排尿障害などがあります。
しかしながら、疾患や薬によっては、服用を続けなければならない場合があります。かってにくすりをやめたりせず、医師と相談することが大切です。また、気になることはいつでも薬局で相談してください。