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薬剤師一口メモ 2022/07/14

コロナ禍での熱中症と経口補水液

 6月を過ぎてから、「熱中症で救急搬送」の報道が出てきました。実はあまり暑くない頃から、熱中症の危険性があり、それは2年以上続いているコロナ禍の生活と深く関係しています。

 熱中症とは、「暑熱環境における身体適応の障害によっておこる状態の総称」ですが、梅雨の時期、体が熱さに慣れておらず、熱中症になる可能性が高いのです。また、マスク環境によって、口腔内の乾燥を感じにくくなっており、気が付いたら熱中症になっているという事もあります。

 身体の水分の話をします。身体の水分は、血液や細胞の成分以外に、筋肉の中に多く貯蔵されています。コロナ禍で、外出も減り、運動することが少なくなった体は、筋肉が減ってきて、水分をたくさん貯めることが難しくなります。そうなると、暑さで必要になった水分が、十分に体に供給されなくなってしまいます。コロナ化で筋肉が減ったと感じられる方も多いのではないでしょうか。それは熱中症になりやすくなっているかもしれません。

 熱中症予防には、「水分補給」というのは、皆様ご存じだと思います。ただ水をカブ飲みすれば良いわけではありません。熱中症で失われる水分は水以上に、電解質(ナトリウム、いわゆる塩)もなくなるため、補充する必要があります。しかし、、水だけ飲むと、電解質の濃度もさらに薄くなり、けいれんをおこす可能性があります。また、一気に飲むと、尿となって排泄されてしまい、せっかく補充した水分が体外に出てしまいます。

 水と塩といっても、適切な濃度にしなければならないため、市販されている経口補水液が便利です。この時期は家に置いておくのも良いでしょう。飲み方も少しずつこまめに飲むことを心がけましょう。なお、持病等で経口補水液が良くない方もおられます。購入前に、薬局や薬剤師に相談してください。

あおば薬局(みんなの健康第377号 掲載)